毎日に希望を与える「心のあかり」メッセージと、自然と光が織りなす美しい瀬戸内周辺の「光の風景」のコラボレーション。お誕生日やお祝いなどのギフトにもぴったりの広島生まれのフォト&メッセージ集。
編集者より
Facebookで、毎日前向きな発信をする方々がいます。「継続」と言葉で言うのは簡単で、実際に自分がやってみると難しい。なにかしら理由をつけて、休止してしまう。あるいはついついマイナスのことも書いてしまう。
でも、このお二人には感服して拝見していました。お二人とも継続的に作品を投稿し、常に前向き。最近、愚痴めいた発言や、ぶっきらぼうな投稿が増えてきたFacebookなどのソーシャルメディアの世界のなかで、凛として濁らない点には一目置いていました。感情の揺れ動きは、一度表現し始めたら、逆に変な義務感にとらわれて、どんどんとエスカレートしてしまうもの。それに負けないという方々は、ある意味で確固たる自分をお持ちということではないかと、思う。
さて、そのおふたりを紹介しましょう。まず、おひとりは「もも」こと
百武富絵さん。前向きなメッセージを毎日発信していて、そのメッセージにも人柄にもファンが多い。
そしてもう一方が、写真家の
いまむらくにおさん。「光の写真家」として、広島および近郊の美しい自然の風景を日々発信しておられる。
なんの気なしに、毎日お二人の投稿を拝見していたら、どういうわけかぼくにお声がかかりまして、そこでこのお二方にはじめてお会いしました。お二人とも自然体で、気負いのない感じには、ちょっと驚きました。でも、どんな強風にも折れない竹のように、しなやかなことが逆に強いということでもあるのでしょうね。
そんなおふたりの「文章」と「写真」を組み合わせて本にしたい・・・というお話を伺いました。そう、ぼくが主張している「文章」と「ビジュアル」を組み合わせることで化学反応が起る・・・という視点をどこかでお聞きになっていたようでした。
そして大量の素材を受け取ってはみたものの、あまりの膨大さに、圧倒されるだけで1ヵ月経ち、2ヵ月経ち・・・。「もう、これは本にはできないんじゃないか・・・」と思っていたある日、ふと線がつながりました。
ぼくはかつて、もう10年も前になりますが、いわゆる「ミックステープ」をつくるのが趣味だった時期がありました。DJ用のCDプレイヤーやミキサーを買い、レコードやCDの曲を並べ替えて編集テープ(そのうちMDやCDに移行)を毎週のように作っていたんです。
その頃、ふと気づいたのは、頭で「ジャンル」とか「歌詞の意味」とか「アーティストの種別」とかで考えて並べたテープは、後から聴くとどうも、気持ちが悪い一方で、な〜んにも考えないで、流した1曲を聴いていたら、次に自然に頭に浮かんでくる曲をつないだほうが、どうもいいらしい・・ということ。
BPMも、ジャンルも関係なく、前の曲が終わったときに、イントロが浮かんできた曲をつないでいったテープ(MD・CD)は、実は今でも時々聴いて「なぜ、あの時、この曲順が浮かんだんだろうねぇ・・」と自分でも驚いたりします。
そう、それと同じように、膨大な「メッセージ」と「光の写真」を拝見していて、最初は「写真の色順にすべきか」とか「季節順かな?」「メッセージの種類でカテゴライズ?」とか、頭でいろいろ考えていたんですが、そうじゃなくて、本能で考える。
それによって、だんだんと本の流れが出来ていきました。ふと思い浮かんだペアをつなげていくようにすることで、停まっていた作業が、するすると進み始めたのです。
結果として「メッセージだけ」「写真だけ」では成り立たない世界が、ふとそこに「ポンっ」と生まれました。
そうか「本能」ってすごいな・・とふと思って見たり。「潜在意識と顕在意識」という単語でも説明できるのかもしれませんが、理屈っぽくなるので、やめときます(笑)
制作途中に「結婚式のギフトに使いたい」というオファーが入ったこともあり、デザインや装丁も「贈り物」を意識したものとなりました。
このお二方が持つ、しなやかで自然体な強さ。なにかしら、そこにはある意味「夫婦がぶつからないで長く仲良くするコツ」みたいな本と同様の自然体な雰囲気が流れていて(あ、褒め言葉です!)、やはり「本能」の想いに従ったほうがいいのかもなぁ・・と、そんな想いを抱きながら、約半年近い編集作業が進んでいきました。そんな「自然体」なメッセージや風景があちこちに織り込まれた、不思議な雰囲気を持った本の制作となりました。
打合せはいつ-も、お好み焼屋さんでヘラを片手に行われ、その光景やメイキングの裏話は、百武富絵さん自身による「絵手紙」風のあとがきとして、本作巻末にも収録しました。いまむらさんの撮影秘儀に迫るメイキング写真もついています。
自然体な幸せ感の詰まった、広島から生まれた小さなフォト・メッセージ集。ハンドバッグにも入るようにA4の半分の大きさにしています。どうか、手に取った皆さまにとって、何かしら「心のあかり」となる一冊になりますように。